有給消化後に退職したいとき、会社への伝え方は?

有給消化後に退職したいとき、会社への伝え方は?

有給消化後に退職したい場合は、まず退職希望日と有給休暇の残日数を整理し、「退職日」と「有給を取得する期間」をセットで伝えます。伝え方は、退職の意思を曖昧にせず、引き継ぎの予定も添えるのが基本です。

有給消化後に退職するときの伝え方

上司には、次の順番で伝えると話がまとまりやすくなります。

  1. 退職したい意思を伝える
  2. 希望する退職日を伝える
  3. 有給休暇の残日数と取得希望期間を伝える
  4. 引き継ぎや最終出勤日の予定を相談する

たとえば、次のように伝えます。

「一身上の都合により、退職したいと考えています。退職希望日は〇月〇日です。残っている有給休暇〇日を、〇月〇日から〇月〇日まで取得し、最終出勤日は〇月〇日としたいと考えています。業務の引き継ぎは〇月〇日までに完了できるよう準備します。」

まだ退職日を確定できない場合は、「退職を考えている」ではなく、「退職の意思が固まっているのか」を整理してから話しましょう。退職日の相談と、退職するかどうかの相談では、会社側の受け止め方が変わります。

退職日と最終出勤日は違う

最終出勤日は、実際に職場へ出勤する最後の日です。退職日は、会社との雇用関係が終了する日です。有給消化をする場合は、最終出勤日の翌日から退職日までを有給取得期間にする形が一般的です。

項目 意味 例
最終出勤日 実際に出勤する最後の日 3月15日
有給取得期間 出勤せず、有給休暇を使う期間 3月16日〜3月31日
退職日 雇用関係が終了する日 3月31日

退職日を3月15日とした場合、3月16日以降は会社に在籍していないため、有給休暇を取得できません。そのため、有給消化を希望するなら、残日数から逆算して退職日を決める必要があります。

退職日を決めるときの計算方法

有給休暇をすべて使いたい場合は、残っている有給日数だけでなく、土日祝日や会社の休日を含めて期間を確認します。有給休暇は通常、労働日について取得するため、休日は有給日数として数えません。

たとえば、仮に有給休暇が10日残っていて、土日が休日の場合、10労働日分を取得する期間が必要です。計算上の退職日だけでなく、会社の営業日カレンダーも確認してください。

また、半日単位や時間単位の有給休暇が残っている場合は、会社の制度によって退職前に使える方法が異なることがあります。勤怠システムや就業規則で、残日数と取得単位を確認しましょう。

有給休暇は会社の許可がないと使えないのか

年次有給休暇は、原則として労働者が取得する時季を指定して使う制度です。会社が有給休暇の取得を一律に禁止することはできません。

ただし、事業の正常な運営を妨げる場合、会社には取得時季を変更する権利が認められています。これを時季変更権といいます。ただし、退職日までに別の日へ変更する余地がない場合など、退職を理由に有給休暇を実質的に使えなくする扱いが当然に認められるわけではありません。

有給休暇の扱いは、取得日、退職日、勤務先の制度、雇用契約の内容によって変わります。会社から具体的な理由を示されずに拒否された場合は、拒否の内容をメールなどで確認し、就業規則や労働基準監督署、都道府県労働局の相談窓口などで確認してください。

退職を伝えるタイミング

退職を伝える時期は、就業規則と雇用契約を確認したうえで、引き継ぎに必要な期間も考えて決めます。

期間の定めがない雇用契約では、民法上、退職の申入れから原則2週間が経過すると退職できるとされています。一方、会社の就業規則で「退職の1か月前まで」などの手続きが定められていることがあるため、実際には早めに申し出るほうがトラブルを避けやすくなります。

ただし、契約社員など期間の定めがある雇用契約では、期間途中の退職について別のルールが適用される場合があります。雇用契約の期間や更新条件を確認せずに、すべての働き方へ同じルールを当てはめないでください。

メールや退職届で伝える場合の文例

まずは直属の上司に口頭で伝え、その後にメールで日程を記録する方法があります。会社から退職届の提出を求められた場合は、指定の様式や提出先を確認してください。

上司へのメール例

件名:退職および有給休暇取得についてのご相談

〇〇部 〇〇様

お疲れさまです。

一身上の都合により、〇月〇日を退職日として退職したいと考えております。

現在の有給休暇の残日数を確認したところ、〇日あるため、〇月〇日を最終出勤日とし、〇月〇日から〇月〇日まで取得を希望しています。

退職日や有給休暇の取得日について、ご確認をお願いいたします。業務の引き継ぎについては、〇月〇日までに資料を作成し、〇〇さんへ説明する予定です。

よろしくお願いいたします。

会社との合意が必要な事項と、自分が申請する事項を混同しないことも大切です。退職日は会社との調整が必要になることがありますが、退職の意思や有給休暇の取得希望を曖昧にしてはいけません。

会社から引き止められたときの対応

引き止めを受けても退職の意思が変わらない場合は、「退職の意思は変わりません」と明確に伝えます。理由を詳しく説明したくない場合は、「一身上の都合」で足ります。

次のように、結論と日付を繰り返すと話がぶれにくくなります。

「申し訳ありませんが、退職の意思は変わりません。退職日は〇月〇日を希望しています。有給休暇は〇月〇日から取得したいと考えています。」

口頭の話し合いだけで日程が不明確になった場合は、話し合った内容をメールで送って確認しましょう。退職日、有給休暇の取得期間、最終出勤日について、会社の回答を記録しておくと行き違いを減らせます。

有給消化前に確認すること

  • 有給休暇の残日数は何日か
  • 有給休暇を取得できる単位は1日、半日、時間のどれか
  • 希望する退職日までに何日取得できるか
  • 最終出勤日はいつになるか
  • 引き継ぐ業務、相手、期限が決まっているか
  • 退職届の提出先と会社所定の手続きは何か
  • 健康保険証、貸与品、社員証、パソコンなどの返却方法

有給休暇の残日数は、給与明細、勤怠システム、人事・労務担当者への確認などで調べられます。表示された日数だけでなく、退職日までに新しく付与される有給休暇があるかも確認してください。

会社が有給休暇を買い取るから出勤してほしいと提案することがありますが、退職時の未消化分の扱いを含め、買取りが必ず行われるとは限りません。有給休暇を取得するのか、買い取りの提案を受けるのかは、条件を文書で確認してから判断しましょう。

まとめ

有給消化後に退職したいときは、「退職日」「有給取得期間」「最終出勤日」「引き継ぎ予定」を整理して、直属の上司へ一度に伝えるのが基本です。

最初に有給休暇の残日数と就業規則を確認し、退職日から逆算して有給取得期間を決めてください。会社と話した内容は、メールや書面で残しておくと、日程や手続きの認識違いを防げます。